東京大学中南米科|網野徹哉


網野 徹哉(アミノ テツヤ)

国籍:日本

専門分野:アンデス社会史

所属:地域文化研究専攻

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コメント

  • 専門に研究しているのはラテンアメリカの歴史、とくにアンデスの先スペイン期(インカ)から植民地時代までの歴史。現在は異端審問の活動をおいながら、十六世紀から十八世紀にかけてのアンデスにおける思想史の流れを明らかにしようとしている。また最近はアンデス世界に生きた女性の歴史も注視しており、学部の演習においてこの方面の論文を取り上げている。大学院の授業は主に古文書学の演習である。私の仕事として紹介できるのは、今年刊行した『インカとスペイン:帝国の交錯』(興亡の世界史シリーズ、講談社2008年)である。また高橋均先生とご一緒に書いた『ラテンアメリカ文明の興亡』(中央公論新社1997年)や、また駒場の歴史学部会の先生方と書いた『歴史の文法』(東京大学出版会)『史料学入門』(岩波書店)などに収められた論文なども読んでいただければ幸いである。

略歴

  • 1984年 東京大学文学部西洋史専攻卒業
  • 1989年 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了

著書

  • 世界史への問い・第5巻(「異文化の統合と抵抗―17世紀ペルーにおける異教根絶巡察を中心に」を分担執筆、岩波書店、1990)
  • 南北アメリカの500年・第1巻(「エスニシティの自己再生―インディオ・スペイン人・「インカ」」を分担執筆、青木書店、1992)
  • アメリカ大陸の自然誌・第3巻(「アンデス先住民とスペイン人の自然観」を分担執筆、岩波書店、1993)
  • 講座世界史・第2巻(「植民地体制とインディオ社会―アンデス植民地社会の一断面」を分担執筆、東京大学出版会、1995)
  • 歴史の文法(「女たちのインカ」を分担執筆、東京大学出版会、1997)
  • アンデス文化を学ぶ人のために(「17世紀アンデス社会考‐流動する時代」を分担執筆、世界思想社、1997)
  • ラテンアメリカ文明の興亡(世界の歴史第18巻、高橋均との共著、中央公論社、1997)
  • 新版世界各国史26―ラテンアメリカ史(II)南アメリカ(「アンデス世界と植民地社会」、「伝統文化の変容と抵抗」を分担執筆、2000)
  • 帝国と支配―古代の遺産(岩波講座世界歴史第五巻)(「アメリカ古代帝国の生成―インカをめぐる諸問題―」を分担執筆、岩波書店、1998)
  • 史料学入門 (「非文字社会と文字資料―アンデス史の場合」を分担執筆、岩波書店、2006)
  • 他者の帝国(「インカへの欲望―植民地主義と表象の歴史的連関をめぐ って」を分担執筆、世界思想社、2008)
  • インカとスペイン帝国の交錯(講談社、2008)

論文

  • 「アンデスの隷属民―インカ社会のヤナコーナに関する一考察(上・下)」(月刊百科4月号、7月号、平凡社、1988)
  • “Las lágrimas de Nuestra Señora de Copacabana: un milagro de la imagen de María y los indios en diáspora de Lima en 1591”(東京大学教養学科紀要第22号、1990)
  • “Lateinamerika und Japan im 16. und 17. Jahrhundert. Japaner in einer demographischen Untersuchung in Lima aus dem Jahre 1613”, in: Veroeffentlichungen des Japanisch-Deutschen Zentrums Berlin, Bd.36(1999), S.47-56. (Referat im 'Symposium Die Beziehungen zwischen Deutschland, Japan und Lateinamerika ', 20.-22.03.1997)
  • "El 'inga' y las mujeres limenas: un estudio sobre la formacion del nuevo simbolismo del inka a traves de los procesos inquisitoriales del siglo XVII”(Actas del Tercer Congreso Internacional Mediadores Culturares,Condumex: Mexico, 2001)
  • 「植民地期インカ・イメージ生成論再考」(Odysseus:東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要、 第7号、2003)

翻訳

  • ミッシェル・ド・セルトー「沈黙の政治学‐インディオの長い行進」『現代思想』vol.1, 18−9、1990年、青土社。(83頁〜93頁)

国際シンポジウム

  • ケンブリッジ大学ラテンアメリカ研究センター主催ワーク・ショップColonial Religion: Ritual, Myth and Imageにおける報告(ケンブリッジ、1988年4月)《題目》"Las lágrimas de Nuestra Seño ra de Copacabana en 1591: el milagro de una imagen de María y los indios en diáspora de la ciudad de Lima"
  • 日独ラテンアメリカ研究シンポジウムにおける報告(ベルリン、1997年3月)《題目》「16〜17世紀のラテンアメリカと日本:1613年リマ市人口調査にあらわれる日本人を通じて」
  • 「文化的媒介者」をめぐる国際会議における報告(メキシコ市、CONDUMEXメキシコ歴史学研究所、1999年9月)《題目》 El 'Inga' y las mujeres limeñas; un estudio sobre la formación de nuevo simbolismo del Inka a través de los procesos inquisitoriales del siglo XVII.