斎藤 文子(サイトウ アヤコ)国籍:日本専門分野:スペイン語文学所属:地域文化研究専攻 |
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コメント
- 学生時代にラテンアメリカ文学の面白さにはまり、スペイン語を勉強しはじめましたが、途中から、17世紀初めにスペインで出版された『ドン・キホーテ』の魅力にとりつかれました。このところは『ドン・キホーテ』の著者セルバンテスのもうひとつの傑作『模範小説集』の翻訳と研究に取り組んでいます。またラテンアメリカ現代小説の翻訳も手がけています。最近ではアルベルト・ルイ=サンチェス『空気の名前』(白水社)を出しました。後期課程の授業では、去年から「20世紀ラテンアメリカにおける越境者たちの文学」というテーマで、おもに亡命作家の小説を取り上げ、演習ではラテンアメリカに関する思想的なエッセイを読んでいます。
略歴
- 1980年 東京大学教養学部文化人類学科卒業
- 1986年 アメリカ合衆国・ライス大学文学専攻修士課程修了
著書
- 文学の方法(「〈わたし〉と語り手」を分担執筆、東京大学出版会、1996)
- 地中海―終末論の誘惑(「コロンブスと終末論」を分担執筆、東京大学出版会、1996)
- 近代日本における外国語文学の受容(「スペイン文学の受容―明治の『ドン・キホーテ』」、「ラテンアメリカ文学の受容」を分担執筆、放送大学教育出版会、2003)
- 『ドン・キホーテ』を読む(「『ドン・キホーテ』最初の邦訳と渡邊修次郎」を分担執筆、行路社、2005)
- 「ドン・キホーテ」事典(「『ドン・キホーテ』解釈の変遷」を分担執筆、行路社、2005)
- 児童文学翻訳作品総覧第6巻〔スペイン・ロシア編〕(「明治期における『模範小説集』の翻訳」を分担執筆、大空社・ナダ出版センター、2005)
- シリーズ物語り論3 彼方からの声(「『ドン・キホーテ』の語り手たち」を分担執筆、東京大学出版会、2007)
論文
- 亡命作家の言語戦略―マヌエル・プイグとルイサ・バレンスエラ(現代詩手帖、40巻5号、1997)
- 『ドン・キホーテ』のなかの読者─騎士道物語及び前編を読んでいるのはだれか(Hispanica、 46号, 2002)
- 抑圧と恐怖を語る─バレンスエラ「武器の交換」(ODYSSEUS、8号, 2004)
- ショーペンハウアーと『ドン・キホーテ』(ショーペンハウアー研究、11号、2006)
翻訳
- 武器の交換(ルイサ・バレンスエラ著、現代企画室、1990)
- コロンブス正伝(共訳、サルバドール・デ・マダリアーガ著、角川書店、1993)
- ロルカと27年世代の詩人たち(共訳、アルトゥロ・ラモネダ編著、土曜美術出版販売、2007年)