竹村 文彦(タケムラ フミヒコ)国籍:日本専門分野:スペイン・ラテンアメリカ文学所属:地域文化研究専攻 |
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コメント
- とくにスペイン黄金世紀(16~17世紀)の文学に関心があります。諷刺散文から政治論、宗教書まであらゆるジャンルに作品を残したケベード、晦渋華麗な美の世界を構築したゴンゴラ、新大陸初のフェミニストともいえるメキシコの修道女ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルスらの詩作品を中心に研究を進めています。作者不詳の『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』(1554)を嚆矢とするピカレスク小説の系譜も追跡しています。また近年は、スペインとラテンアメリカの近現代詩にも視野を広げています。翻訳は、パス『泥の子供たち』(水声社)、ケベード「ぺてん師ドン・パブロスの生涯」(『ピカレスク小説名作選』国書刊行会)、ボルヘス『ボルヘスの「神曲」講義』(国書刊行会)などを手がけました。
略歴
- 1982年 東京外国語大学スペイン語専攻卒業
- 1987年 東京外国語大学大学ロマンス言語専攻修士課程修了
著書
- 西和中辞典(小学館、1989)
- 世界の歴史と文化 スペイン(新潮社、1992)
- 世界文学大事典(「ガルシア・ロルカ」「ペレス・ガルドス」などを分担執筆、集英社、1996-1998)
論文
- ケベード「ならず者の生涯」における<見かけ>と<内実>の文体的表現について(アカデミア44号、南山大、1988)
- 「騙り師の生涯」における人間の贋物性(アカデミア46号、南山大、1989)
- 「ラサリーリョ」と「かたり師」における主人公と話者の<視点>(イスパニカ34号、日本イスパニヤ学会、1990)
- 『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』に〈概略〉はあったか?――ロサ・ナバーロ・ドゥランの作品解釈を検証する(ODYSSEUS 18号、東京大学大学院地域文化研究専攻、2014)
- 怪物の内臓を腑分けする――キューバの独立運動指導者ホセ・マルティの「反米」(ODYSSEUS 19号、東京大学大学院地域文化研究専攻、2015)
- 春の情景の背後にあるもの――A・マチャードの詩篇《ホセ・マリア・パラシオへ》をめぐって(人文科学研究所紀要 36号、清泉女子大学、2015)
翻訳
- 泥の子供たち―ロマン主義からアヴァンギャルドへ(オクタビオ・パス著、水声社、1994)
- 「ぺてん師の生涯」(フランシスコ・デ・ケベード著、『ピカレスク小説名作選』国書刊行会、1997)
- 翻訳と解説:ルベン・ダリーオ「カチュール・マンデス論」(ODYSSEUS 3号、東京大学地域文化研究専攻、1998)
- ボルヘスの「神曲」講義(ホルヘ・ルイス・ボルヘス著、国書刊行会、2001)